秒速5センチメートル【感想】

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私の書いたものではなかった。小草さん、ごめんね~
この文章はちょっと長いですよ~ゆっくりご覧ください。
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映像は、前作「雲のむこう、約束の場所」と同様に全フレームともとても緻密に描かれており、背景や人物の全体的な雰囲気も「雲のむこう、約束の場所」によく似ていたと思います。天門さんの音楽とよくマッチしていて、良かったです。
キャラクターは、貴樹(タカキ)はヒロキに、明里(アカリ)はサユリに似ていましたね。外見だけでなく、性格も似ていたように感じたのは、私だけではないはずです。

第1話「桜花抄」は、タカキとアカリの、小学校高学年から中学1年生までの話でした。
金曜日に学校が終わった後、北関東(栃木)に引っ越して行ったアカリに会いに行ったタカキですが、乗った電車が大雪で大幅に遅れてしまい、アカリとの待ち合わせ場所に着いたのは予定の午後7時から4時間遅れた午後11時過ぎになってしまいました。
ケータイの普及していない時代、電車の中からでは連絡手段もなく、電車内の席で途方に暮れるタカキ。観ているほうも、電車はちゃんと動き出してくれるのだろうか、アカリとの再会は果たせるのだろうか、とドキドキしてしまいました。「アカリが家に帰っていてくれるといいんだけど」とアカリのことを気遣いながら、ちゃんと待合場所まで行くタカキは、偉いですよね。
アカリのほうは、電車が雪で遅れていることは分かっていたのでしょうけど、駅の待合室でお弁当を持ってずっと待っていました。それだけ、タカキへの想いが強かったのでしょう。
淡い初恋の初々しさが感じられて、その後の一連のシーンはとても感激しました。
電車がなくなってしまいタカキは帰れなくなってしまい、二人で小屋に泊まったタカキとアカリでしたが、結局、これが二人の今生の別れになってしまいました。
電車を見送ったアカリの「タカキ君なら、一人でも、きっと大丈夫だから」という科白が、二人の今後を暗示していたのかも知れません。やはり、栃木と種子島というのは、中学1年生にとっては他国のようなものなのでしょう。個人的には、手紙のやりとりくらいなら続けられたのではないかと思わなくもないですが。
あと、これは新海作品の特徴の一つだと思いますが、親が登場しないというのがありますね。第3話でちょっとだけアカリの両親が出て来ましたが、第1話ではまったく登場しません。もちろん、もし両親を描いてしまったら、中1のタカキとアカリが小屋で一夜を過ごした夢のような行為に対して、「もしもそんなことをしたら、両親は?」と現実的なことに思いを馳せてしまうため、あえて第1話では両親を登場させなかったのだと思いますが。

第2話は、種子島で高校時代を過ごすタカキを、タカキに片思いしている花苗(カナエ)の視点から描いています。
中学時代にタカキが転向して来た初日に一目ぼれして、タカキと同じ高校に行こうと猛勉強したカナエは、けなげだなぁと思います。
高校生活では、カナエは半分ストーカーに近い感じで、部活が終わってタカキが来るのを単車置き場で待っていました。タカキに片思いしているカナエに対して、タカキはいつも優しく振舞っているものの、どこか取り付きにくい感じがあったようです。
タカキは時々ケータイでメールを打っていて、相手はアカリかと思っていたら、実は打ち込んでいるだけで、誰にも送信していなかったんですね。
空想のシーンでは、種子島の岡の上でセミロングの髪の女性と一緒にいます。顔ははっきりとは書かれていませんが、アカリですね。タカキは、アカリへの想いを断ち切れずにいるのでしょう。中1の時に、アカリとの感動的なキスを体験してからは、交際が途絶えても常にアカリを感じているのだと思います。
そんなタカキに片思いしつつも、誰にメールを打っているか、最後まで聞かなかったカナエは、可哀相でした。

第3話は、東京に戻って来て、社会人になったタカキの話でした。
しかし、燃え尽きてしまったのか会社を辞めてしまい、3年間付き合った女性とも「1000回メールのやりとりをしたのに、距離は1センチしか縮まらなかった」と言われて別れてしまいます。その相手の女性は、セミロングの髪で、メガネは掛けていましたが、どことなくアカリのような雰囲気があったように思えました。
一方、アカリは翌月の結婚が決まっており、幸せそうです。
踏み切りで邂逅(パンフレットの表現がこのようになっていますが、私は「邂逅」ではない気がしています)したタカキとアカリですが、遮断機に遮られて2本の電車が行き過ぎた後には、タカキしか残っていませんでした。
てっきり、アカリと思しき女性も振り返って待っているのではないかと思っていたので、このラストは正直意外でした。
タカキのことはずっと忘れていて他の誰かと結婚して幸せになるアカリと、アカリのことを忘れられず高校時代にはカナエの気持ちも受け入れられず社会人になって恋人と別れてしまったタカキとを、あえて対象的に描いたようにも受け取れます。

秒速5センチメートルで新海監督の伝えたかったことを、私なりに解釈すると、日常では様々な出会いや符合があっても、大人になって行く過程で、様々な可能性が失われて行ってしまうということが多いものだということでしょうか。
一方で、実は気が付かないうちにすれ違っていることも多い、と。

個人的に気になっているのは、東京から種子島に引っ越した直後のタカキの心境ですね。
頻繁に電話をするのが無理でも、文通をすることくらいは出来たでしょうし、「一緒に東京の大学に通えたら良いね」くらいの約束をするという思考はあっても良かった気がします。
「雲のむこう、約束の場所」と同じように、そのうちに小説が出ると思いますので、その頃のタカキとアカリの心境を知るために、読んでみようと思います。

ところで、新海監督の作品では、現実のものは実写に近く描くというのがこれまでのパターンだったと思うのですが、一部、お遊びが入っていたようです。

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